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　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）


December 2, 2010
傘寿を迎えたゴダール

Godard at 80
　

Photo: Richard Dumas

 　妥協を拒む芸術家精神の持主にして非凡なる映画製作者であるジャン＝リュック・ゴダール氏 Jean-Luc Godard が、12月3日に80歳の誕生日を迎えます。心よりお祝い申し上げます。JLG（ゴダール）の位置付けに関しては、現在も世界中のプレスでさまざまな内容の経歴原稿が書かれ、ヨーロッパ映画における偉大な革新者ならびに理論家としての業績について、大方の見解は一致しているとはいえ、長い年月を経た今もなお激しい論争の的となっています。

 　
　ECMではこの20年の間にゴダールの映画に関連する作品をいくつかリリースできたことを心から大変うれしく感じております。

　最初のリリースは1990年の映画『ヌーヴェル・ヴァーグ Nouvelle Vague』の2枚組サウンドトラックでした（ECM New Series 1600/01）。

 　
　続いてのリリース作品は『映画史 Histoire(s) du cinéma』で、これは四冊の書籍と5枚のＣＤからなるボックス・セット（ECM New Series 1706-10）。
 　
　その次のリリースは、四つの作品を収録したDVD作品集でした。収録作品は、『オールド・プレイス The Old Place』、『二十一世紀の起源 De l'origine de XXIe siècle』、『自由と祖国 Liberté et patrie』、『たたえられよ、サラエヴォ Je vous salue, Sarajevo』の四作。この四つの作品のいずれにおいても音楽面でECMが協力しています。
　このDVD《四つの短編集 Four Short Films》（ECM Cinema）の中では、アルヴォ・ペルト Arvo Pärt、ジェルジ・クルターグ György Kurtág、ハンス・オッテ Hans Otte、フェデリコ・モンポウ Federico Mompou、トマシュ・スタンコ Tomasz Stanko、ディノ・サルーシ Dino Saluzzi、キース・ジャレット Keith Jarrett、ケティル・ビヨルンスタ［シェーティル・ビョルンスタ］ Ketil Bjørnstad、デヴィッド・ダーリング David Darling、その他のECM録音の抜粋が使用されています。

 　
　 　JLGとECMのプロデューサー、マンフレート・アイヒャー Manfred Eicher との協同作業は、現在も続いています。

　ゴダール曰く：「アイヒャーがサウンドを生み出すやり方を知ったとき、私が感じたのは、私たちは二人ともおおよそ同じ土地に所属している者同士だ、ということでした。彼はサウンドを用いて仕事をし、私はイメージを用いて仕事をする、そうした違いがあるだけです。」

　ECMとの間でコラボレーションが行なわれたゴダールの他の作品としては、『新ドイツ零年 Allemagne Neuf Zéro』、『ゴダールの決別 Hélas pour moi』、『JLG/自画像　JLG/JLG - Autoportrait de décembre』、『フォーエヴァー・モーツアルト For Ever Mozart』、『愛の世紀 Eloge de l'amour』、『アワーミュージック Notre Musique』、『ゴダール・ソシアリスム Film Socialisme』などがあります。

 　
　
　
　 　ところで、ECMのジャケット・カヴァー・アートにはゴダールの映画作品内のイメージを使ったものが多数ありますが、それらは元々の映画のなかにあるイメージとは大分違ったかたちで使用されています。以下に、その内の幾つかを列記します。

 　
ベリオ Berio の《声 Voci》（ECM New Series 1735）

 　
キム・カシュカシャン Kim Kashkashian とロバート・レヴィン Robert Levin による《アストゥリアーナ Asturiana》（ECM New Series 1975）

 　
トマシュ・スタンコ Tomasz Stanko の《ソウル・オブ・シングズ Soul of Things》と《サスペンデッド・ナイト Suspended Night》（ECM 1868）

 　
ノーマ・ウィンストン Norma Winstone の《ディスタンシズ Distances》（ECM 2028）

 　
クリストフ・ポッペン Christoph Poppen とヒリヤード・アンサンブル Hilliard Ensemble による《モリムール Morimur》（ECM New Series 1765）

 　
ユリアーネ・バンゼ Juliane Banse とアンドラーシュ・シフ Andràs Schiff の《ドビュッシー／モーツァルト歌曲集 Songs of Debussy and Mozart》（ECM New Series 1772）

 　
シルヴェストロフ Silvestrov の《ラリッサへのレクイエム Requiem for Larissa》（ECM New Series 1778）

 　
　ジェフ・アンドルー Geoff Andrew ［訳註：ロンドンの「タイム・アウト」誌、BFIサウス・バンク（英国映画協会が運営する映画館）のプログラム責任者］は、ECMレーベルのカヴァー・アートを扱ったエッセイの一章「かれらの音楽 ─ アイヒャー／ゴダール ─ サウンド／イメージ　Leur musique - Eicher/Godard - Sound/Image」のなかで、ゴダールとECMとの関わりについて論じています（『ウインドフォール・ライト Windfall Light』所収）。

 　
　


(c) ECM Records, Munich. Used by permission.


 　
　 ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） 　

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