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　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）


December 3, 2009
カーラ・ブレイにドイツ・ジャズ・トロフィー授与

German Jazz Trophy for Carla Bley
　
　2009年11月24日、シュトゥットガルト Stuttgart のグスタフ・ジーグル・ハウス Gustav-Siegle-Haus（■）にて、カーラ・ブレイ Carla Bley にドイツ・ジャズ・トロフィー German Jazz Trophy （■）が授与されました。

 　
　 　「カーラ・ブレイの作曲と編曲は、ジャズとロックとヨーロッパの現代音楽の要素を、時々グロテスクでアイロニカルなやり方で混ぜ合わせている」──、同賞の審査委員会はこのように言明した上で、カーラ・ブレイの音楽が音楽祭やコンサート・ホールのプログラムで取り上げられる際、その音楽が熱心でコアなジャズ愛好家だけでなくその外側の聴き手の心にまでも到達する力を持っていたこと、そしてその音楽が果たしてきた大きな役割について指摘しています。

 　
　 　受賞式では、アンディ・シェパード Andy Sheppard、スティーヴ・スワロウ Steve Swalow、ビリー・ドラモンド Billy Drummond をフィーチャーした彼女の現在のクァルテット「ザ・ロスト・コーズ The Lost Chords」の演奏に先立って、この作曲家にしてピアニスト、アレンジャー、バンド・リーダーに向けて、同賞の前回の受賞者でピアニストのヴォルフガング・ダウナー Wolfgang Dauner から、彫刻家オットー・ヘルベルト・ハイェク Otto Herbert Hajek が制作したトロフィーが直接手渡されました。
　この日の演奏を、シュトゥットガルト・ナーハリヒト紙 Stuttgarter Nachrichten は次のように伝えています。

 　
　 　彼女の演奏は、ブルーズのフレーズから短調のゆっくりと回転するワルツへと跳躍すると、何秒も経たない内に、そのまま一直線に沸き立つようなラテン風の小品へと移行した……。この並外れた真に偉大なジャズのコンサートが終わると、居合わせた聴衆たちからは長く熱狂的な拍手が続いた。

 　
　 　なお、ドイツ・ジャズ・トロフィー German Jazz Trophy はバーデン・ヴュルテンベルク州のシュパルダ銀行 Sparda-Bank が寄附した基金で運営され、同銀行とジャズ研究所 Jazzezeitung （■）と社団法人音楽言語文化協会 Kulturgesellschaft Musik+Wort e.V. の合同で行なわれている顕彰事業です。歴代の受賞者には、ケニー・ホイーラー Kenny Wheeler、パウル・キューン Paul Kuhn、ヴォルフガング・ダウナー Wolfgang Dauner などのミュージシャンが名を連ねています。

 　
　カーラ・ブレイが WATT からリリースした最新作はピアノとベースと金管五重奏のための《カーラのクリスマス・キャロル Carla's Christmas Carols》（Watt 35）です。レヴューの第一弾が届き始めていますが、どれも極めてポジティヴな評価となっています。そのいくつかをご紹介します。

 　
　 　彼女の編曲はたびたび伝統的な丁重さを感じさせるが、堅苦しい古臭さとはほとんど無縁である。彼女は、これらの曲の不滅のメロディーの力と、アンサンブルの温かい響きの性質に、すべてを委ねている。

ネイト・チネン Nate Chinen
ニューヨーク・タイムズ New York Times

 　
　 　聴き手は、カーラ・ブレイならば誰にとっても最も親しみのあるセンチメンタルなメロディの数々に鋭利な刃を付けることを期待するのが常だろう――事実、本作では、クリスマス・キャロルが一家団欒の場面からジャズ・クラブの中へと移植されているのである。（後略）

ジョン・フォーダム John Fordham
英国「ガーディアン The Guardian」紙

 　
　 　カーラ・ブレイは、独自のアンサンブル概念と美しいオーケストレーションによって、ギル・エヴァンス Gil Evans の後継者に相応しい存在であることを証明した。もっともこれは彼女が成し得たことを称賛するための最低限の指摘でしかない。

ジャン＝ピエール・ジャクソン Jean-Pierre Jackson
フランスの音楽雑誌「クラシカ Classica」

 　
　


(c) ECM Records, Munich. Used by permission.


 　
　 ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） 　

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