ECM NEWS／ECM情報 May 25, 2012

　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）

May 25, 2012

ガース・ノックスの新作がビルボード・クラシック・トラディショナル・チャート第１位を獲得

Garth Knox tops Billboard Classical Traditional Chart

　ヴィオラ奏者ガース・ノックス Garth Knox がECM New Seriesに録音した《サルタレッロ Saltarello》（ECM New Series 2157）が、ビルボード・クラシック・トラディショナル・チャート第１位を射止めました。

　ノックスはアイルランド出身です。つい最近ノックスは本盤の内容をプログラムとするコンサートをボルチモア Baltimore とニューヨーク New York で開催し、熱狂的な反応を引き起こしたばかりです。その公演では、12世紀の中世の音楽から現代曲まで、幅広い時期の作品が取り上げられていました。共演者にチェロ奏者のアニェス・ヴェスターマン Agnès Vesterman と打楽器奏者のシルヴァン・ルメートル Sylvain Lemêtre を迎え、ガース・ノックスはフィドル、ヴィオラ、ヴィオラ・ダモーレという三つの楽器を持ち替えながらの演奏。このコンサートでは、自作と共にヒルデガルト・フォン・ビンゲン Hildegard von Bingen の作品を奏でた他、ルネッサンス時代のジョン・ダウランド John Dowland の作品が醸し出す響きと繊細なエレクトロニクスの扱いが特徴的なカイヤ・サーリアホ Kaija Saariaho の作品が対置されたり、口承で昔から伝承されてきた民謡の節（ふし）や民舞のリズム等を基に新たに編曲した作品がヴィヴァルディ Vivaldi のヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調と対比されたりしていました。このように、ノックスは一千年間に及ぶ種々様々な音楽の姿を寛いだ気分で眺望しながら演奏活動を行なっています。

ECM New Series 1925

　ガース・ノックス Garth Knox とアニェス・ヴェスターマン Agnès Vesterman は、すでに2006年にECM New Seriesから《ダモーレ D'Amore》（ECM New Series 1925）をリリースしています。

ECM 1913

ECM New Series 1694

　この外にガース・ノックスがECMに録音したアルバムとしては、アコーディオン奏者フローデ・ハルトリー Frode Haltli の《パッシング・イメージズ Passing Images》（ECM 1913）と、ノックスがアルディッティ・クァルテット Arditti Quartet 在籍時に録音した、ペーター・ルジツカ Peter Ruzicka の作品集《弦楽四重奏曲集 String Quartets》（ECM New Series 1694）があります。

ペーター・ルジツカ：弦楽四重奏曲集
Peter Ruzicka | String Quartets

アルディッティ弦楽四重奏団
Irvine Arditti violin
Graeme Jennings violin
Garth Knox viola
Rohan de Saram cello
ディートリッヒ・フィッシャー＝ディースカウ（語り）
Dietrich Fischer-Dieskau speaker

「…消失の彼方へ」（弦楽四重奏曲第3番）
"...über ein Verschwinden" (3rd String Quartet)
響きの影
Klangschatten
弦楽四重奏のための5つの警句「…断章…」（弦楽四重奏曲第2番）
"...fragment..." Five Epigrams for String Quartet (2nd String Quartet)
弦楽四重奏のための考証「内観」（弦楽四重奏曲第1番）
Introspezione, Documentation for String Quartet (1st String Quartet)
弦楽四重奏と語り手のための「…見失っていた…」（弦楽四重奏曲第4番）
"...sich verlierend" for String Quartet and Speaker (4th String Quartet)"

Recorded December 1996 / October 1997
ECM New Series 1694

　また2012年5月14日には、米国のラジオ NPR の“All Things Considered”という番組内で、ノックスをゲストに迎えて非常に内容を深く掘り下げたインタヴューが行なわれました。以下のURL先でそのストリーミング放送を聴くことができます（8分20秒）。■

　日本語によるガース・ノックスへのインタヴュー記事は、下記のサイトをご覧ください。

＜参考リンク＞

ガース・ノックス　インタヴュー
知られざるヴィオラ・ダモーレの世界
（ZIGSOW 2008年5月　紀尾井ホールにて）
http://zigsow.jp/pickup/umusic/knox/

(c) ECM Records, Munich. Used by permission.

※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus）

topへ戻る