September 14, 2012
| 今週の批評から Reviews of the Week |
スティーヴン・ペティット Stephen Pettitt
サンデー・タイムズ Sunday Times
(c) ECM Records, Munich. Used by
permission.
| ECM NEWS／ECM情報 | Album cover
reproduced by courtesy of ECM Records, Munich |
September 14, 2012 |
|
||
|
キム・カシュカシャン
Kim Kashkashian の新作アルバム《クルターグとリゲティ；ヴィオラのための音楽
Kurtág / Ligeti, Music for
Viola》（ECM New Series 2240）について、サンデー・タイムズ
Sunday Times にレヴューが掲載されました。 |
||
|
ジェルジ・クルターグ
György Kurtág の“進行中の作品”（ワーク・イン・プログレス）である「サイン、ゲーム、メッセージ
Signs, Games and Messages」（1989 - in progress）は、ある面から見れば複雑性を極めた音楽作品という位置付けも可能だが（例えば「カデンツァ・ジグ
The Carenza Jig」は半狂乱的な状態が続く僅か50秒足らずの作品で1989年の作曲だが、その後三回も改訂が重ねられている）、他面から見れば非常に純朴な性質を備えた音楽だと看做すこともできる（例えば「ジェルジ・クルーの追憶に
Kroó György in memoriam」ではほぼ全編にわたって遅い速度で葬いを思わせる下行音型の控えめな響きが続く）。これに比して、ジェルジ・リゲティ
György Ligeti の６楽章からなる作品「独奏ヴィオラのためのソナタ
Sonata for viola solo」（1991-1994）は素早い速度での鋸歯状の気違いじみた音の身振りと表情たっぷりの黙想という両極端の中間を行く音楽となっており、故意に関節をはずしたような、ある種のぎこちなさが特徴となっている。カシュカシャンはスコアから次々と浴びせかけられる、あらゆる種類の難題に立ち向かいつつ、その全てを見事に克服している。 スティーヴン・ペティット Stephen Pettitt サンデー・タイムズ Sunday Times |
||
|
|||
| ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） |