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　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）


September 17, 2003
ヴィエンナーレ（ウィーン国際映画フェステイバル）がECMに敬意を表す

VIENNALE salutes ECM
　
　 　1960年に創始されたヴィエンナーレ（ウィーン国際映画フェステイバル） Vienna International Film Festival は、欧州での映画関連の年次事業においても重要な催しのひとつですが、今年のプログラムはECMに特別な敬意を表した内容で構成されています。以下はヴィエンナーレの公式ウェブサイトからの引用です。

 　
　 　本年の「ヴィエンナーレ VIENNALE」では、非常に特別でかつ稀少な讃辞を捧げる機会が実現できたことを大変誇りに思います。＜ECMと映画 ECM & Cinema＞というタイトルの下、われわれは、伝説的なミュンヘンのレコード・レーベルであるECM（Edition of Contemporary Music）とその創設者兼ディレクターのマンフレート・アイヒャー Manfred Eicher に対し心より敬意を表します。

 　
　 　世界的に有名な音楽制作・販売会社であるECMは、長年に亙って国際的な音楽業界の中で重大な役割を果たしてきましたが、同時に、世界各国の沢山の映画監督にとってECMの存在は創造力を刺激し審美的な挑発をもたらす重要な発想源であり続けてきました。たとえばジャン＝リュック・ゴダール Jean-Luc Godard の映画において、ハインツ・ホリガー Heinz Hollinger やデヴィッド・ダーリング David Darling、トマシュ・スタンコ Tomasz Stanko などの楽曲は、聴覚的な側面から映画そのものを特徴づける個性となっています。またエレニ・カラインドルー Eleni Karaindrou が作曲する音楽は、テオ・アンゲロプロス Theo Angelopoulos が撮影する映画全体の方向性を支配しており、そしてアルヴォ・ペルト Arvo Pärt の音楽の断片は、映画監督ガス・ヴァン・サント Gus van Sant に映画を形作るための重要な示唆を与えました。

 　
　 　近年の映画製作において音楽が果たしている特徴は、昔の映画音楽のように画面に合わせて音楽を作曲するといった古典的な範疇を超えて、より広範囲の音楽への参照や、質の高い洗練された音響の追及、そして響きの多面的な変調操作といった点が指摘できますが、これらは欧州の芸術映画作品と米国のハリウッド製作映画の双方で見られる特徴です。かくして、ECMと音楽プロデューサーのマンフレート・アイヒャー Manfred Eicher の存在は――声高に自ら主張することもないままに、静かに、しかし紛う方なき徴（しるし）として――、気がついてみれば現代の映画文化の一部となっていたのです。

 　
　 　今回のヴィエンナーレ VIENNALE のトリビュートでは、映画文化に関するECMの発展の軌跡を辿ります。上映プログラムは、ジャン＝リュック・ゴダール Jean-Luc Godard の「ヌーヴェルヴァーグ Nouvelle Vague」という欧州の作品から、マイケル・マン Michael Mann の「インサイダー Insider」という米国の作品まで、ECMが映画の世界に貢献したいくつかの決定的な重要作品と、同時に、音楽と映画の両者の間のさまざまな異なる関係性に焦点を当てた作品群で構成されます。

 　
　本年のヴィエンナーレ（ウィーン国際映画フェステイバル）では、開催期間中の2003年10月23日に、トマシュ・スタンコ・クァルテット Tomasz Stanko Quartet がユニークなコンサートを開催します。ロマン・ポランスキー Roman Polanski の初期の映画作品のためにクシシュトフ・コメダ Krzysztof Komeda が作曲した映画音楽に依拠して制作された、トマシュ・スタンコのアルバム《リタニア Litania》（ECM 1636）の収録曲を、ジャンルイジ・トロヴェージ Gianluigi Trovesi が臨時加入した編成で演奏する予定です。

 　
　 　ヴィエンナーレ（ウィーン国際映画フェステイバル Vienna International Film Festival）は、2003年10月17日から29日までの開催です。

 　
　


(c) ECM Records, Munich. Used by permission.


 　
　 ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） 　

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