Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）

　僕がこのレコードを知ったのは高２の秋。ジャケットの“青”にひかれた。けれど音を耳にしたのはそれから３年も後のことだ。いつも記憶のどこかにひっかかっていた「青」だ。このアルバムにおける「青」は、ブルーグレイだった。それが銀の輝きをまじえながら空気の中へ溶け込んでゆく。

　さて、なんといっても白眉は、ゲイリー・バートンとのデュオでも演奏されていた「イカルス」だろう。もう忘れてしまったが、たしかギリシア神話の登場人物だったはずだ。この曲を聴くと、僕は、魂が脱け出してどんどん上昇して行く気がする。青空を飛翔する。もっと言ってしまおう。「現実逃避」が実に楽に出来る。故に疲れてしまった時にこの曲を聴けば再び心の中に光の輝きを感じることができる。たとえわずかでも、それは希望だし夢なんだ。世の中悲しい、つらい事ばかりじゃないよ。Do You Think So ?

筒井 悠

青山剛明

須永春彦