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ECM review

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。(musicircus


John Abercrombie Quartet
Arcade

John Abercrombie guitar, electric mandolin
Richie Beirach piano
George Mraz bass
Peter Donald drums

ECM 1133

Arcade
Nightlake
Paramour
Neptune
Alchemy

Recorded December 1978 at Talent Studio, Oslo
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Photo: Dieter Rehm
Design: B.Wojirsch
Produced by Manfred Eicher

ECM 1133
 
 
   まず採点評を御覧いただきたい[注=ECMファンクラブ内投票によるベスト・レコード選定結果のこと]。何とこの傑作が20位だと。全くあいた口が塞がらない。このアルバムは、ジョン・アバークロンビーの代表作であるばかりか、音楽、音、ジャケットすべてにおいてECMを代表する一枚といっても過言ではない。要するにこれを否定することは、アイヒャーの感性とECMそのものを否定することであり、もっと平たく言えば「俺、イイ女って嫌いなんだ」というのと同じことだ。オー、心が冷える〜〜。これ程耽美的でリリシズム溢れる音楽もそうざらにはないが、心憎いのは4人の演奏者が美に溺れることなく、クールにしかもシャープに音楽と対峙していることだ。特に、タイトル曲“Arcade”に於ける幻惑的な曲想と、AbercrombieBeirach のクロマティシズムに基づくインタープレイは、時代の先端を行っている。“Night Lake”のロマン溢れる抒情美もたとえようがない。加えて、オスロ、タレント・スタジオにおける録音も、美しすぎる程だ。

須永春彦

 
   アバークロンビーのギタリストとしての力量は、これはもう文句なく凄いといえる。作曲のセンスもA-1を始めとして、キラッと光るものがあるが……LP全体を通してみると、何故かオソマツ。

大島ガチャ

 
   美しい! しかし、それだけ。アバークロンビーはもっと「できる人」で、事実この後に出た「クァルテット」と「M」はまあまあの出来である。まずそちらを聴かれることをお勧めする。

三武伸一

 
  ※本稿は、ECM DIVISIONECMファンクラブ)の会報『every clue message』第2号[19845月発行/発行人:多田雅範]に掲載された原稿を復刻したものです。musicircus  

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