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ECM review

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）
Meredith Monk
Turtle Dreams

Meredith Monk voice, piano, organ, mini-moog, casio
Andrea Goodman voice
Paul Langland voice
Robert Een voice
Julius Eastman organ
Steve Lockwood organ
Collin Walcott organ, didjeridoo

ECM 1240
Turtle Dreams
View 1
Engine Steps
Ester's Song
View 2

 Recorded June, July 1982 and January 1983, New York and Ludwigsburg
Engineers: John Kilgore, Thomas Lazarus / Howard Kaufman, Phil Lee, Meredith Monk, Martin Wieland
Cover Photo: Sarah Ouwerkerk
Design: Barbara Wojirsch
Produced by Manfred Eicher and Collin Walcott

ECM New Series 1240
　
　
　 　メレディスを含め男女二人ずつの計四人が、それぞれのヴォイスの持ち味を生かしながら絡み合っている。バックはオルガンかピアノで単調に近いリフを延々と繰り返している。曲想は全体としてむしろニューウェーヴと呼ぶにふさわしく、それはコーラスや効果音の音色、タイミングなどに表われているのだが、決定的に“やはりECM”と唸らされる大きな違いが有る。それは静美である。時に気味悪く、時に嗚咽しながらも、それは深く心に浸み込み、それはなつかしい回想の場面のＢＧＭとなって心和ます。Ｂ面の一曲目“View 1”、11分の曲だが、これが特に美しい。風景と素直な意味に受け取って良いのだろうか？ 俺は高校時代の一風景が目に浮んだ。幅広く音楽を理解したい大人にすめたい。

大島ガチャ

 　
　 　Side B の View 1、View 2 が白眉。ミニマム効果とガラスのようなピアノ、断続的なヴォーカル、突如現れる音……　メレディス・モンクのこの作品は切り取られたフィルムの連続でショックを与えられるような音楽だ。ニューウェイヴの音の多く（Rock の）を次元を異にして越えている。現時点という袋小路に閉ざされた時、この音はそっとつまみあげて解き放ってくれるだろう。時間を意識できなくなるのが怖い。

多田雅範

 　
　 ※本稿は、ECM DIVISION（ECMファンクラブ）の会報『every clue message』第３号［1984年11月発行／編集：大島裕之／発行人：多田雅範］に掲載された原稿を復刻したものです。（musicircus） 　

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