| ECM review | Album cover reproduced by courtesy
of ECM Records, Munich |
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| 72年に第１曲が発表されて以来、子供の為に（まさにバルトークであるが）書き続けられてきた20曲が30分程の曲集として遂に発表されたわけだが、R.T.F.やバートンとの Duo、彼のグループの演奏を通して、おなじみの曲がいくつかある。左手の単純なリズムパターンの上に右手で印象的なフレーズを重ねるといったシンプルさが身上であるが、Ａ面の10曲はそれぞれに愛らしくて軽快である。サリンジャーや庄司薫がおさげのリボンをした少女にほほえむように、心安らいで童心に帰ってしまう。いつか見た夕焼けはもはや見ることができなくとも、脳細胞のどこかに残っているし、そんな
visualize を起こさせる名品集である。作曲家としてのチックの優れたセンスを世に知らしめる一枚。ただ難をいうと、Ｂ面後半の短期間に創られた曲の出来が良くないこと、ピアノの音に彼の暖かさがあまり出ていないこと、そしてジャケットが手抜きであることである。私としてはキースの撮った「My Song」や ECM
SP の「Country Children」の様に、子供たちの何気ない写真を使って欲しかった。「Axum」（ECM 1214）同様、初めてECMを聴く人にすすめられる毒気の無い心和らぐ
Music であるといえよう。 青山剛明 |
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| 耳慣れた旋律が次から次へと流れていく。コリア自身、確かにこの作品群を一つにまとめ、未来に残す必要性は有ったのだと思う。深夜、これを聴きながら思い出に浸る。これ、オキナの心髄とみた。 大島ガチャ |
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| 曲や演奏の良さは認めても、何を今さらこんな「卒業アルバム」的曲集を出す必要があるのか。最近のチックの作品は出せば売れるという人気ミュージシャンの傲りさえ感じられて鼻につく。 塩飽裕彦 |
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| ※本稿は、ECM DIVISION（ECMファンクラブ）の会報『every clue message』第３号［1984年11月発行／編集：大島裕之／発行人：多田雅範］に掲載された原稿を復刻したものです。（musicircus） |