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ECM review

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）
Marilyn Crispell Trio
Storyteller

Marilyn Crispell piano
Mark Helias double-bass
Paul Motian drums

ECM 1847
Wild Rose
Flight of the Bluejay
The Storyteller
Alone
Harmonic Line
Cosmology 2
Limbo
Play
The Sunflower
Cosmology 1
So Far, So Near

 Recorded February 2003
Avatar Studios, New York
Engineer: James Farber
Assistant: Brian Montgomery
Liner Photos: Cheryl Koralik
Cover Design: Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher

ECM 1847
ストーリーテラー / マリリン・クリスペル・トリオ
国内盤発売：2004/7/28　UCCE-1044　\2,548（税込）
　
　 　《Nothing ever was, anyway - Music of Annette Peacock》（ECM 1626 / 27）、《Amaryllis》（ECM 1742）と発表してきたトリオの、ベースがゲイリー・ピーコックからマーク・ヒーリアスになっての新作。 　
　 　《Amaryllis》について、同じくピーコック、モチアンとピアノトリオ“テザート・ムーン”を組んでいる菊地雅章は「彼女（クリスペル）はこの先、長いこと旅しなきゃいけねえな、と、ポール（・モチアン）と話していたんだよ。」と語っていた。このコメントについての解釈は措く。 　
　 　ここ数年のクリスペルは、バリー・ガイとポール・リットンとのまさしく最強の即興ピアノトリオを実現させている一方、Black Saint からリリースされた《Red》の出来の良さなど、即興ピアニストとして本格化した印象を受ける。 　
　 　本作でのマーク・ヒーリアスの起用は、このトリオとマンフレット・アイヒャーの間のコミュニケーションにも作用しているように聴こえる。ヒーリアスのベースは柔らかく添う。インナースリーブには、ヒーリアスがクリスペルに語りかけていたり、アイヒャーが録音ブースで手を合わせてうつむいていたり、アイヒャーがトリオの間でピアノに中腰になってクリスペルに笑いかけている写真が収められている。今年73歳になるポール・モチアンの瞳の輝きもいい。11曲中、６曲がモチアン、３曲がクリスペル、２曲がヒーリアスのコンポジションを採用している。 　
　 　１曲目〈Wild Rose〉（クリスペル作曲）が傑出していいが、ＣＤ全体を通じてこの四者の調和と到達を堪能できる作品となっている。そこには、過去の残像といったものとも戯れている四者の世界がある。 　
　
■ Marilyn Crispell Official Web Site

■ The Mark Helias/Radio Legs Music Web Site

 　
　

多田雅範
Masanori Tada

 　

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