「La Caravane Passe（キャラヴァヌパッス）」が創る世界、Plechti へようこそ。

いわゆる「ジプシーブラス」とか「バルカン音楽」などと言われる音楽が
たくさん出ていますが、こうも出てくると、だんだんどれも
似通って聴こえてしまうのが現状です。

そんななか、久々に、好みのものを見つけました。

それが、この La Caravane Passe というグループのセカンドアルバム、
"VELKOM PLECHTI!" です。

グループの名前は
「キャラヴァンが通る」と訳せるような、
いかにもその手のジャンルの音楽であることを示すベタなものですが、
ジャケットデザインは、ファンキーで妖艶。

旧来のジプシーブラスのジャケットに見られるような、
「金管楽器を抱えたオジサン集団」的なイメージとは一線を画しています。

基本的には伝統バルカンサウンドを踏襲した旋律なのですが、
彼らが自らを説明するのに用いる表現である
「バルカン音楽とフレンチロックの融合形」
では納得いかないくらい、
色々なスパイスが入っている気がします。

不思議と今っぽい音やリズムが、きっと私が好んだ所以です。

さて、このグループは、
フランスはパリ東部、黒海の西部に位置する
独立した村「Plechti」で、一番成功したグループであり、
Plechti 村における祝宴開催時の公認楽団でもあります。

当然、彼らの楽曲で使われている言語も、Plechti語。

これは、フランス語、スペイン語、ルーマニア語、セルビア語、
トルコ語、ロシア語、カタルーニャ語、イディッシュ語…
欧州のあらゆる言語が入り混じった言葉です。

いろんな文化が交じり合いなかがらも、
村人が仲良く暮らしているこの村の生活や、
そこで行われる祝宴の様子が詰まっているのが、
このアルバムなんですね。

"La Caravane Passe" のライブは、２つの形式で行われます。

<1>
５人で構成されるグループでの、通常ライブ　■

<2>
Vrai-Faux Mariage Tziganin de La Caravane Passe という、
Plechti 村の結婚式を模したショウ　■

２番目のショウ形式のライブは、
Plechti 村の結婚式を模した独特のもので、
踊りはもちろん、
空中ブランコにマジシャンも登場するなど、
多くの見世物も用意されていて、
本当におもしろそうなんです。　■

なお、アルバム "VELKOM PLECHTI!" には、
この仮想結婚式の模様を映像化した DVD が付いているので、
La Caravane Passe の世界をのぞくことができます。

しばらくは、この世界観に浸って楽しめそうです。

ああ、言い忘れていました。

Plechti 村は、ほぼ間違いなく、架空の村です。

くれぐれも地図などで探さぬよう。

La Caravane Passe Official Website　■


	Espèces d'espaces Aska Nagai	さまざまな空間長井明日香