愛され系のタイポップ。Tatoo Colourにハズレなし。

先日、タイ在住の友人の結婚式に参加がてら、
バンコクのマーブクロン・ショッピングセンターにある
大手 CD/DVD ショップ「Mangpong」に立ち寄りました。

このショップの運営母体は、創業1981年、
VCD や DVD の版権をもとに制作販売したり、
ミュージシャンのプロデュースまで行う
エンタメ界の老舗企業です。

店舗の印象は、「新星堂」を若者向けにした雰囲気でした。
小さいながら、クラシックにジャズ、洋楽、タイポップスと、
ジャンル別コーナーが設けられ、整然としています。
ワールドワイドな洋楽が売り場面積の大部分を占めているのは、
いずこも同じでしょうか。

ショップでのＣＤの価格相場は
だいたい200～300バーツ（600円～900円）前後でした。
日本と比較すれば相当安いのですが、
「ビールとおいしいご飯をたらふく楽しんでも1,000円」
という暮らしが続いた後は、どうしても高く感じてしまいます。

「何でもかんでも買うわけにはいかない」
と本気でＣＤと向き合っていたところに、
若手の店員さんが近付いてきました。

「タイポップを探しているなら、これがオススメ」と
色々持ってきてくれるのですが、
どれもコンピレーションアルバムばかり。
今考えると、Mangpong が自社ブランドでリリースしたＣＤを
すすめてくれていたのかもしれませんが、
「コンピは要らない。オススメのアーティストを知りたい」
と伝えたところ、手元には４枚の購入候補作が残りました。

ジャケットデザインや収録曲から勘案して、
最終的に２枚の購入を決定しました。
１枚目は、安全パイのつもりで購入を決めた
「Mellow Motif」という若手デュオのデビューアルバムです。

Eugene と Natasha という、米国・カーネギーメロン大学
ジャズパフォーマンス副専攻プログラムの同窓生コンビによる
スタンダード集なので、当然失敗はありませんでした。
ジャケットもキュートで満足。 ◆

そして、冒険のつもりで買ったもう一枚が、
Tattoo Colourの“8（Jong Pror）”。

もう８枚もアルバムを出しているということは、
キャリアも長かったりするのでしょうか。

このグループが、ボーカルのDim (Vo.)、Ruzzy (Vo.& Guitar)、
Jump (Bass)、Tonk (Ds) の４名で構成されていることだけが、
英語で得られる情報です。
ジャケットや Web サイトに書かれた情報は、９割方タイ語なので、
彼らに関する情報はもちろん、曲名さえ読めない有様。

なのに、買ってみたこのアルバムは大当たりでした。
どの曲も耳馴染みがよくて、すんなり入り込めます。
私がとくにお薦めの楽曲は、YouTube でも聴けます。

◆Cinderella ◆

◆Go hok　โกหก ◆

◆Kha moo　ขาหม ◆

とくに、この「Kha moo」という曲は、印象的です。

彼らによると、自分たちの音楽スタイルは“Tattoo Colour's Sound”、
つまり、既存のジャンルやスタイルにはとらわれず、
自己のサウンドを追及しているということでしょうか。

残念ながら、彼らの作品は iTunes 経由では購入できないようです。
今度タイに旅をする機会があったら、
初期の頃の彼らの作品を入手してみようと思います。


	Espèces d'espaces Aska Nagai	さまざまな空間長井明日香