多和田えみ "Sings of Souls live 2010"＠Shibuya O-EAST

ふと思い立ってのぞいた多和田えみさんのWebサイトで、
ライブ情報を発見したのは、３日前のことです。

多和田えみさんは、「沖縄が生んだ新世代のソウルディーヴァ」
と紹介されているとおり、沖縄県で活躍後に上京、
昨年11月に初のフルアルバム "Sings" を出したばかりという、
これからの活躍が期待される歌手です。

2009年は、この人の曲を聴きまくっていたこともあり、
ぜひ一度ナマで聴きたいと思っていたので
迷わずチケットを購入しました。 ■

ライブ会場に入るまでに目についたのが、「アフロヘア」です。

多和田えみのアルバムジャケット写真はアフロヘアの彼女自身なのですが、
このポスターがいたるところに貼ってあるため、どうしても目に付きます。

また、会場入り口の売店には、「多和田えみ公式アフロ2010」と書かれた
アフロのウィッグを販売しているし、アフロで入場した人に
ドリンクをサービスするという「アフ得サービス」まで用意されている…
これはもしや、アフロヘア度が高いのだろうか。

スーツ姿でアフロ色がまったくない私が会場にいても浮かないかしら…。

客層が気になってドキドキしていたのですが、
実際は、アフロ人口は１割にも満たず、
世代は30代を中心に40代～50代といったところ。

一人客も多く、全体的に落ち着いた雰囲気でした。

ただし、ステージ上のアフロ率は 100％。

多和田えみ以下、"The Soul Infinity" という、
ドラム、ベース、ギター、トロンボーン、サックス、
パーカッション＋フルートで構成されたバンドに、
２人のコーラス担当、みんなアフロヘアだったのですから。

多和田嬢は、ライブ開始早々舞台から降りてくると、突然客席を回って
前から５列目くらいまでに座っている人たち全員とハイタッチを交わしていました。

なんでもライブのテーマは「ふれあい」。

うろ覚えですが、そんなニュアンスのテーマでした。

そして、実際のふれあいだけでなく、
お客さんに実際に魂を込めてお客さんの心に
歌を届けたい、というようなことを、
ライブの中でご本人は繰返しおっしゃっていました。

演奏曲は、Michael Jackson の "Rock with You" や
レゲエ調にアレンジされた風味堂の "ゆらゆら"、
忌野清志郎の "満月の夜" などをカバーしつつも、
大部分が彼女の最新アルバム "Sings" からのものでした。

初めて実際に聴いた彼女の歌声は、
とくに歌詞が日本語の歌を歌っている時、そしてバラード曲の時に
その稀有な魅力を放っていたように思います。

つねに少しかすれているのだけれども、
いわゆるハスキーというほど重々しくもない。

無理なくのびのびと響いていく感じがとても魅力的です。

曲に体を委ねて聴き入りました。

彼女にはもっともっと活躍してもらって、
クラブやソウルミュージック以外の
さまざまなジャンルにも挑戦していってほしいと思う一方で、
O-EAST 以上に大きなキャパシティの会場では
ライブして欲しくないとも思ってしまいます。

勝手なことを言いすぎでしょうか。

でも、そんなワガママを言いたくなるくらい、
よい雰囲気のライブだったのです。


	Espèces d'espaces Aska Nagai	さまざまな空間長井明日香