眠るための音楽とは

先日、旅先で友人宅にお世話になったときのことです。この友人は、iPod内に大量に曲を保有しており、これをランダムに30分だけ聴いてから眠りにつくとのことでした。この人も私と同様「乱聴き派」であり、ジャンル問わず色々な音楽が次々と繰り出されてきます。が、この30分も終わりに近付いてきた時、流れてきたのが中島みゆき「地上の星」でした。

確かにいい曲です。でも、私にとって、この曲は眠るための音楽ではありません。重低音が響きわたるなか、むしろ、神経が立ってしまい、すっかり目が冴えわたってしまいました。「ちょっと眠るためには勇ましすぎるんじゃないの～？」と思わず素直な感想を述べると、「歌詞の意味がわからないせいかな」というのが、日本語が達者なイタリア人であるiPod主の弁でした。

結局、私は入眠前に改めて自分のiPhoneに入った「持ち曲」の中で睡眠の仕切り直しをすることにしました。プレイリストをざっと眺めて、まず目に入ったのは、大好きな曲でもあるハナレグミの「眠りの森」（■）でしたが、眠るための音楽ではない、というのが私の実感です。

少ない「持ち曲」の中で、神経を落ち着かせる役目を果たしてくれたのは、こんな曲でした。

◆キリンジ
	「エイリアンズ」（■）

◆今井美樹
	「Lluvia」（■）

◆Andrea Beneventano Trio
	“Cool River” “When sunny gets blue”

◆Giovanni Mirabassi Trio
	“Sienna's Song”

◆Luigi Martinale Trio
	≪ African Flower ≫

◆Nicola Stilo Feat. Toninho Horta
	≪ Adivinhacao ≫

ジャズについては、YouTubeなどの音源がないのでリンクをご紹介できないのが残念なところですが、いずれも落ち着いたトーンの曲ばかりだと申し添えておきましょう。

「曲探しをしている間に早く寝ればいいのでは」とのツッコミも受けそうですよね。ただ、普段は頭を枕に付けた途端に眠れる私ですが、この日は、とにかく持っている音楽の中でどうにか眠りたい気持ちを呼び起こそうと必死に戦った夜でした。


	Espèces d'espaces Aska Nagai	さまざまな空間長井明日香