2009年は忙しい年だった。パートナーが、とあるカタログ本のプロジェクトに取り組んでいた為、小さなしわ寄せがこちらに舞い込み絶えず時間に飢えていた年でもあり、個人的に色んな事柄が重なりバタバタした年でもあった。

　その上、夏には大の仲良しテレビが壊れ（プラズマ・７年しか持たなかった）、買い換える羽目に。一昨年酷使したハードディスクの不安も有り、ついでにダブ録ブルーレイデッキも購入。

　ダブ録デッキのお陰で今まで興味はあったが手を出さなかった歴史物や昆虫、動物番組その他ドキュメンタリー番組も多数見ることが出来た。これらの番組を見て、どんな分野にも多くの研究者がいることに驚いた（我が店にも色んなエキスパートの方々が来店されますが…）。そして、この研究者達のお陰で色んな謎を覗き見られる事、一体誰が見るのか（私）と思う様な番組を作ってくれるテレビ局（主に海外）に感動している。

　そのうちのいくつかを挙げれば・・・

兼ねてから個人的に疑問に思っていた事を解明された一説。

古代ローマ街道を飛ぶ・BS TBS

ローマ時代に造られた街道を空撮で延々辿る。以前、万里の長城編も放送された。

ローマ帝国〜繁栄と滅亡〜（13回）・ヒストリーCh

キンブリ人から最後のローマ皇帝までを、侵略する者とされる者、双方の視点から描いたシリーズ。

地中海歴史紀行 異文化の交差点スペイン・ヒストリーCh

パートナーが、とあるＣＤについて調べていた時にたまたま見つけた番組。スペインのイスラムとカトリック。

BBC地球伝説 ヨーロッパ〜時空を越えて 驚異の大陸〜(４回）・BS朝日

１回・ヨーロッパ大陸の誕生と ２回・氷河期のヨーロッパ

５億年前から現在のヨーロッパになるまでの成り立ち。

人類滅亡 -LIFE AFTER PEOPLE-（10回）・ヒストリーCh

人類が完全滅亡した地球。翌日から年数を追って人間が作り上げた世界のその後を科学的に検証。ゴールドと動物（進化して）は残るらしい。

大好きな爬虫類ドキュメンタリー。

ファーブル昆虫記（３回）・BShi

ファーブルの昆虫に対する情熱に涙。再放送。

生命の進化（11回）・ヒストリーCh

ダーウィンの「種の起源」出版150年を迎えるに当たって作られた生命の進化を多角的に検証したドキュメンタリー。

円空の辿った道を、彼の仏像と共に紹介。彼の修行（苦行）・人生に感涙。

ヒトラーを殺す42の方法・ナショナルジオグラフィックCh

ヒトラー、ケネディ物は欠かさずチェック。ヒトラー暗殺計画が42件存在していたらしい。暗殺計画の検証番組。

悪魔教の秘密結社・ディスカバリーCh

秘密結社好きでもある。ナチスの思想的源流となったゲルマン騎士団とオカルト的な神智学協会の話。

マフィア全史（８回）・チャンネル銀河

アメリカマフィアの歴史を50年間に渡って辿っていくシリーズ。1993年作品・DVD発売。

　ただでさえ少ない限られた時間の中で、こうした映画以外の別番組にちょっかいを出したこともあって、2009年は、録画した物を消化する為に機械の様に映画を観る年だった。映画好きのくせに情け無い話ではあるが、しかし知らない世界を数多く垣間見られ、慌ただしいわりに自分自身新鮮な年でもあった。

　さてさて、そんな映画消化年、観た外国映画は178本。その中でもコレクションに加えたいと思った映画は以下ご紹介する４本（少ない）だった。メジャー作品ばかりで心苦しいですが、私の2009年お気に入り映画です。

スペイン内戦で父を亡くしたオフェリアは身重の母と母の再婚相手のヴィダル大尉に引き取られ森の中にある軍の砦に住むことになる。
オフェリアは妖精の化身に導かれ、森の中の秘密の入り口を見つけ迷宮の世界へ入り込む。

　お子ちゃま映画として、ナルニア何とかやライラ云々と同様、気軽に見始めたが、初っ端から戦争雰囲気満載。戦争物かよ〜と思いながらもギレルモ監督作品故気持ちを切り換える。

　映像は嫌いではない重さ。オフェリアの顔も好きだ。この手の映画は主人公の顔の好き嫌いで映画の観方がかなり変わってくる。迷宮世界はピーター・ジャクソンの「乙女の祈り」を思い出した（見直すと全然雰囲気違いますが）。登場するお世辞にも可愛いと思えないクリーチャー達（ギレルモ監督前作の「ヘルボーイ」の完成型といった所か）も好みだ。

　主人公オフェリアが一種幻想の世界に迷い込むのも無理はない。義父は産まれてくる子供にしか興味が無く、山ではプチ戦争、余りにも現実世界が厳しいからだ。

　迷宮世界の描き方だけが良ければ普通のファンタジー映画だが、現実世界も義父・ヴィダル大尉の残忍さと狂気をたっぷりみせてくれて私は満足至極だ。オフェリアの冒険と現実、両方の世界が交互に映し出され話が進んでいく展開は上手い脚本だ。

　終盤、大尉が右頬を撃たれるのだが、その瞬間、右の黒眼が微かに動くといった演出もたまらなく好きだ。

　だが、オフェリアを地下王国へと導くパン（牧神）だけはキモさを通り越して怖すぎる。

　Ｂ級好きの身分として、このビッグバジェット世界的ヒット作品をイチオシするのは心苦しいが、大人のファンタジーとも言うべきこの映画には魅せられてしまった。参った！ギレルモ！

テキサスの田舎町。米軍の生物兵器実験により町中に謎のウィルス感染者が増殖、感染者は凶暴なゾンビと化す。生き残った人間対ゾンビ対米軍の闘いが始まる。

　あれま！こんな映画だったのか。初っ端から○タマ収集かいっ。そしてドロドロゾンビ。予告編で観た「片足マシンガンお姉ちゃん」見たさに見始めたが、完全ホラーでワクワク。

　怪我をした人間が病院に次々担ぎ込まれ数分後にはゾンビと化し病院がゾンビの館に。病院、警察、食堂が各々ゾンビに襲われ生き残った人間が結集し安住の地へ。ディテールに凝っていて、なおかつ、ゾンビとの闘いを丁寧に描いているので、ホラー好きとしては楽しめるが、各々の場面のシーンが長過ぎてちょっと飽きた。

　ゾンビから逃れた人達が、街外れでゾンビ集団に囲まれピ〜ンチ！に陥った時、ブルース・ウィリス率いる米軍に助けられる。ラッキー！と喜ぶのも束の間、彼らは感染している米軍だった。今度は彼らとの闘いだ。

　Ｂ・ウィリスは私の中では如何にも悪顔だ。ロドリゲス、ナイスチョイス！タランティーノもキレたイかれ軍人野郎を楽しんで演じている。タランティーノの殺され方なんて凝った演出でこねくり回され、かなり時間をかけている。最初の○タマ同様、かなりお下品…ですが、嫌いではないです。他の登場人物も変人ばかりで見ていて飽きない。中には、ゾンビよりたちの悪い人間もいるし…。

　ロドリゲス映画は個人的に大当たりでは無いが、ハズレでも無い。スパイ・キッズでさえ観終わった後は楽しめているし。ロドリゲス自身が映画の面白さを十分理解していて、自分も映画を楽しみながら撮っていると思う。観客の目線を十分理解してるからこそ、そこそこ映画が面白くなるんだろうな〜。次回作もぶっ飛んでくれ！ロドリゲス！

フレディの惨劇から既に10年が経ちエルム街の住人たちは彼の存在を忘れ去っていた。存在を忘れ去られる事に危機を感じたフレディは、殺人鬼ジェイソンを操りエルム街に再び恐怖を蘇らせ自分自身が復活しようと画策する。

　13金やエルム街マニアでは無いが、一応全シリーズは観ている。が、シリーズ物の特徴として詳しく記憶してませんので悪しからず。13金のジェイソンは、１〜５作目までは、若干人間？らしさを持ち合わせていたが、６作目の死んだジェイソンに落雷し、復活以降、何をしても死ななくなった。一方フレディは、子供達の恐怖がエネルギー源となっているが、最終的に、状況を知っていた子供は精神病院に隔離され、街中の住民が記憶を封印し完全に忘れ去られていたらしい（全く記憶無し）。

　しかし配給会社の違うこの名物殺人鬼が共演するなんて…。そら観ない手は無い。しかし、どうやって対決？

　ジェイソンの夢の中（生きてんのか！）にいぢわるなフレディ（個人的感想）が入り込み、ジェイソンを蘇らせる（無茶苦茶や〜）。ジェイソンは操られてんだから殺人はしようがないよな（個人的肩入れ）と思い、色んなパターンでバンバン気持ち良く殺してくれるのを楽しむ（個人的に）。その内、街中がかつての忌まわしいフレディによる殺人では無いかと猜疑心を抱き恐怖を呼び覚ましフレディにパワーがついてくる。

　話の流れが少しおかしいな？と思ったら、ほ〜ら貴方もパワーがついたフレディの夢の世界に引きずり込まれてますよ〜。

　最終的に、２人は、ジェイソンのお膝元「クリスタルレイクのキャンプ場」で闘う事になる。そこに至るまでの複雑なディテールが良く考えられているし、どっかしらで誰かが殺されるシーンを間髪入れず挟み込んであるため目が離せない。そして、フレディとジェイソンのスピード感ある闘いは、観ているその時を画面にしっかり繋ぎ止めていてくれる。見応え十分なお腹いっぱい殺人ホラーです。又、どっかしらで現れそう、ジェイソン！

赤頭巾のレッドは、お菓子作りの名人であるおばあちゃんの手伝いでいつもお菓子を配達していた。ある日おばあちゃん家を訪れると、おばあちゃんに化けたオオカミがレッドに襲いかかる。が、ぐるぐる巻きに縛られたおばあちゃんにレッドは助けられる。そこへ、キコリが家に突っ込んで来る。街中でレシピ泥棒が頻発していた為、不審なこの４人が容疑者に。

　赤頭巾の話を土台に色々な映画のパロディを盛り込んだアニメ。最近のアニメは色んな意味で凄いが、この映画は何の教訓も無く、余りのくだらなさにグイグイ引き込まれるとんでもアニメ。アメリカでは、流行りの３Ｄで公開されたそうだが、我が家のテレビでも奥行きを感じ映像は綺麗だった。尚、続編が製作されたとかで公開されずとも是非ともテレビで放映して欲しいものだ（端っから映画館に行く気はないのか）。

　アメリカアニメの描く人間は私にとってちょいと首を傾げるキャラが多いが、レッドは小憎たらしい感じがいけてる。妙に手足の長い探偵ニッキーはバランス的にどうかと思うが、その他の動物キャラは好みだ。

　レシピ泥棒の「お話の主人公になりたかった」というくだらない理由で一本の映画を作り全米ボックスオフィスで１位をとってしまうこの映画、愛さずにはいられないでしょ！ 因みに、パートナーと観たこの映画、彼も大のお気に入りです。変な夫婦！