そんなニュースが八月の末フランス中を駆け巡った。

ところでTATI。

知ってる人がいたら「ブラボー」である。

入ったことがある人がいたら惜しみない拍手を贈りたい。

なんでって多分わざわざパリに来て

オペラ座見た帰りにラファイエットやプランタンに寄ることはあっても サマリテーヌやル・ボン・マルシェをフラっとしながら雑貨や洋服をショッピングすることはあっても、マドレーヌ寺院（教会）を見学してフォションやメゾン・デュ・ショコラでお土産買ってみたりはしても、サンジェルマンでお茶はしても、ちょっとお洒落に足を延ばしてSt.Sulpice界隈を散策してマリア−ジュ・フレールとかで紅茶選んだりはすることはあっても、でもやっぱり。

18区Barbès RochechouartのTati「入るか？」と思うから（笑）※

  いや、でも安くてキッチュなもの。

パリとはあんまり思えない原産国がフランスじゃない土産物ってかいやげ物。

探してるんだったらお勧めでっせ〜。

デパートに入った時点で「異国の中の異国」も感じられるし、実は観光スポットとしても結構イケテんのかも（笑）

そんなわけで、タチ。

一言で言えばディスカウントなデパートである。毎日がバーゲン気分なお店である。

アタシの大好きなアラブ系コメディアンJAMEL（映画界にも進出してて「Astérix et Obélix :mission Cléopâtre」ではGérard DepardieuやMonica Bellucciとも共演）がスケッチで

Comment dit on “Alice au pays des merveiles en Arab ?”
「不思議の国のアリスってアラビア語でなんつーか知ってる？」

→Fatima chez Tati !
→「タチのファティマ!（女の子の名前）」

と微妙〜なブラック・ジョークを登場させていたが、ホント「なんでもあり」のデパートでまさに不思議の国（笑）色んなものがところ狭しと並んでいる。

洋服あり化粧品あり雑貨あり貴金属ありお菓子屋だってあるし眼鏡屋、CD屋＆本屋は言うまでもなく携帯電話だって買えちゃうしウェディングドレスまで調達出来てその上旅行代理店まであるので新婚旅行だって予約できちゃうし、旅行から帰ったら写真の現像までタチにお願い出来るんである（笑）

「一体タチにないものがあるのか？」

と逆に突っ込みたくなるくらい統一感を感じさせないメチャメチャナイスな品揃えである。

そんでもってお値段はと言うとこれがもう

「超庶民的」

クオリティとかセンスはまぁ「なんとも言えないので自分で確かめてくださいまし」としか言えないのだが特別悪いものばっかりじゃない気がする。

パリの下町、移民街に7軒。パリ郊外に9軒。その他フランス各地に13軒。

北アフリカやロシアにもお店がある1948年創業のチェーンである。

そんなフランスの庶民の皆さんに55年もの間愛されてきたタチが閉店するかもっつーんでびっくりした。

よくよく調べてみたらなんでも今あるチェーン店のうちの5軒をとりあえずタタムラシイ。

とりあえず、と言うのは事業を大きく展開しすぎたせいで経営状態がかなり悪いらしいからである。

なくなるかもしれないと聞くと、しょっちゅう行ってるわけでもないのについついなんとなぁく惜しい気持ちになって久しぶりにタチに行ってみたい気持ちになるのが人情。 それはきっとこんな風である。

久しぶりに降り立つBarbès Rochechouart。

この駅の出入り口はいっつも混んでて、なんだかワサワサとしている。

メトロを出るとまん前に目指すタチである。

このデパートの良い所は、例えアタシが夕食用の葱の突き出たスーパーのビニール袋を下げていてもなんのテライもなくその入り口をくぐれそうなことである（ってさすがにやったことはないが・笑）

 店に入ると「どこを見ようか」「何を選ぼうか」いきなり迷う。

迷うけどなんだか人に押されるようにして前へ前へと進む。

そんでもって出るときにはなんだかワカンナイけど「ちょっと得しちゃったかもぉ」

と役に立つのか立たないのか一体いつ着るのか着ないのか分からない品物の沢山入った大袋を下げて帰路につく。。。

 次回のパリ旅行で「不思議の国のア・リ・ス」体験を是非。 ナンテTATIの回し者のようなことを思う秋であった。  

※実はオペラ座の近所にもTATIがあることを知ったんだけどまだ入ったことはなし。でもTATIならやっぱり本店のBarbès店がオススメ。

2003年9月18日木曜日（A Paris, Jeudi, 18, SEPTEMBRE, 2003）