December 14, 2004
| アルヴォ・ペルトが米国専門誌が選定する年間最優秀作曲家に Arvo Pärt wins Musical America Prize |
ジョン・ロックウェル John Rockwell
ニューヨーク・タイムズ New York Times
(c) ECM Records, Munich. Used by
permission.
homeへ戻る
ECM NEWS のtopへ戻る
2004年度分のニュース のtopへ戻る
| ECM NEWS／ECM情報 | Album cover
reproduced by courtesy of ECM Records, Munich |
December 14, 2004 |
|
||
| アルヴォ・ペルト Arvo Pärt が、米国の専門誌「ミュージカル・アメリカ
Musical America」で2005年度の最優秀作曲家 Composer of the Year 2005 に選出されました。カーネギーホールCarnegie Hallで12月6日に行なわれた授賞式では、このエストニアの作曲家に多くの賛辞が捧げられました。審査員による贈賞理由のコメントをご紹介します。 |
|||
| アルヴォ・ペルト氏が、われわれの時代で最も重要とみなされている何人もの作曲家たちの中にあって特徴的なのは、自分自身が依って立つ地面をその全作品を通じて作り上げ、そしてその作業を弛（たゆ）むことなく長期に亙って継続してきた作曲家であるという点です。ペルト氏の音楽は、聴き手の心を宥（なだ）め、忘我の境地へと誘（いざな）い、精神の内奥へ語りかける独自の声をもっています。しかしながらこの20年間あまりは、その音楽自体について語られることよりも、どちらかといえば、むしろ音楽の周囲にまとわりついている霊気だったり雰囲気などに属す言説ばかりがことさら喧伝されてきた面があったように思います。そして、ペルト氏の作品に忠節を尽くしている何人もの演奏家が存在することも、現存する作曲家として、これは極めて稀有なことであると申せましょう。 |
|||
| また授賞式典に際して配布された冊子には、ニューヨーク・タイムズ
New York Times の文化担当首席記者ジョン・ロックウェル
John Rockwell が次のような文章を寄せています。 |
|||
| 現代音楽の作曲家たちは、演奏家の側が作品に共感と愛情を籠めて接するようになったことで現在の繁栄と成功を手にすることができた。なかでもアルヴォ・ペルトは忠実な擁護者たる演奏家の存在に恵まれていた。いくつか名前を挙げれば、ギドン・クレーメル
Gidon Kremer、キース・ジャレット
Keith Jarrett、ポール・ヒリアー
Paul Hillier、デニス・ラッセル・デイヴィス
Dennis Russell Davies、ネーメ・ヤルヴィ
Neeme Järvi、パーヴォ・ヤルヴィ
Paavo Järvi、エレーヌ・グリモー
Hélène Grimaud、エサ＝ペッカ・サロネン
Esa-Pekka Salonen ──。そしてこうした演奏家にも増してさらに重要だったのは、ペルトが、マンフレート・アイヒャー
Manfred Eicher の忠誠を勝ち取ったことだった。アイヒャーは彼のECMレーベルにおいて、驚くべき枚数のペルト作品の録音アルバムを制作してきた。これほど包括的な視点で創作の歩みが記録されている作曲家は、他の現役の作曲家を見回してみてもごく僅かしかいない。 ジョン・ロックウェル John Rockwell ニューヨーク・タイムズ New York Times |
|||
| 今回の顕彰事業を主催している米国の専門誌「ミュージカル・アメリカ
Musical America」は、音楽と演劇の両分野を対象とする週刊新聞として1898年に創設され、現在はウェブサイト「MusicalAmerica.com」として、音楽業界全般に関するさまざまな視点の記事をインターネットで発信すると共に、毎年、世界各地の14,000以上の芸術関連団体の詳細な概要と連絡先を掲載した書籍「国際舞台芸術住所録
International Directory of the
Performing Arts」を刊行して業界の内外から信頼を集めています。 |
|||
|
|||
| ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） |