February 5, 2004
|
| エレニ・カラインドルーの新作紹介：記者会見とコンサート Karaindrou's
new album - presentations and concerts
|
|
|
 |
エレニ・カラインドルー
Eleni Karaindrou のECMの新作アルバム──テオ・アンゲロプロス
Theo Angelopoulos 監督の最新作『ザ・ウィーピング・メドウ［邦題：エレニの旅］
The Weeping Meadow』のための映画音楽──のリリースに向けて、さまざまな準備が進みつつあります。ヨーロッパでは４月の発売となる予定です。
|
|
| |
ただしギリシア国内ではこの映画が2月13日に公開されることを受け、アルバムの発売を前倒しして、すでに本盤は入手可能となっています。昨日2月4日、本CDのリリースに合わせて、エレニ・カラインドルーはプロデューサーのマンフレート・アイヒャー
Manfred Eicher と共に、200名以上のジャーナリストとメディア関係者がつめかけたアテネの記者会見場で、この新作について語りました。その様子の第一報がギリシアの新聞「タ・ネア
TA NEA」に掲載され、カラインドルーの音楽を色鮮やかに描写しています。
|
|
| |
思わず引き込まれずにはいられない。表面では煙のたなびいた跡すら消し去っているにも関わらず、その下では何という緊張が持続していることか。沈黙。そして孤独。この音楽の主要主題は透明な水を思わせる響きで構成されている──ゆったりと流れ去っていく時の魔法、その内面の旅において、自らの律動と、自らの沈黙にしたがって汲み上げられた、どこまでも透き通った水。
タ・ネア紙（ギリシア） TA
NEA
|
|
| |
『エレニの旅 The Weeping Meadow』は、テオ・アンゲロプロスが20世紀のギリシアを描く三部作の第一作目となります。二人の人物の関係を通して、20世紀のギリシア人の運命を伝える作品です。アンゲロプロス監督は最新作について次のように語っています。
|
|
| |
物語は1919年のオデッサ Odessa で始まり、1949年のギリシア内戦の終結を過ぎて、そして最後は現代のニューヨークが舞台になるという構想です。故郷喪失、別離、放浪、思想の崩壊、度重なる歴史の厳しい試練。純真な心から悲劇的な情熱までを描きます。そしてこれまで以上に、運命に向き合う人間への賛辞となる作品にしたいと思っています。
|
|
| |
ところで、2月12日と13日の両日、第54回ベルリン国際映画祭 the 54th Berlin International Film Festival において本作が上映されます。
|
|
| |
そしてしばらく先になりますが、6月11日には、ローマの複合施設「アウディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ（音楽の公園）
Auditorium Parco della Musica」で特別コンサートが開催される予定です。そこではカラインドルーと彼女の作品の演奏に通暁した音楽家たちが出演し、カラインドルーがテオ・アンゲロプロス監督の以下の映画のために書いた音楽を演奏します──『シテール島への船出
Voyage to Cythera』、『蜂の旅人
The Beekeeper』、『霧の中の風景
Landscape in the Mist』、『こうのとり、たちずさんで
The Suspended Step of the Stork』、『ユリシーズの瞳
Ulysses Gaze』、『永遠と一日
Eternity and a Day』、『エレニの恋［ウィーピング・メドウ］
The Weeping Meadow』。さらに、現在エレニ・カラインドルーは数ヶ月先のメガロン・アテネ・コンサートホール
Megaron, the Athens Concert Hall での連続コンサートを準備しているところです。
|
|
| |
新作《ザ・ウィーピング・メドウ［エレニの旅］
The Weeping Meadow》（ECM New Series 1885）は、エレニ・カラインドルーのECMでは６枚目となるアルバムです。以下の５枚も入手可能です。
|
|
 |
《ミュージック・フォー・フィルムズ
Music for Films》（ECM 1429）
Music For Films focused primarily upon
the director's great Trilogy of Silence (Voyage To
Cythera, The Beekeeper, and Landscape In The Mist).
|
|
 |
《こうのとり、たちずさんで
The Suspended Step of the Stork》（ECM 1456）
The second presented music written for
The Suspended Step Of The Stork, Angelopoulos'
critically-heralded 1991 film.
|
|
 |
《ユリシーズの瞳 Ulysses' Gaze》（ECM
New Series 1570）
Ulysses' Gaze was awarded the Grand
Jury Prize at the 1995 Cannes Film Festival.
Ulysses' Gaze, the album, is the third ECM recording to
feature music written by Eleni Karaindrou for her
countryman Angelopoulos.
Kim Kashkashian viola soloist
|
|
 |
《永遠と一日 Eternity and a Day》（ECM New Series 1692）
The Golden Palm winning film by Theo
Angelopoulous.
|
|
 |
《トロイアの女 Trojan Women》（ECM
New Series 1810）
”Trojan Women”, directed by Antonis Antypas and with music
by Eleni Karaindrou, was premiered at the Ancient Theatre
of Epidaurus on August 31 and September 1, 2001, where
fifteen thousand people cheered the performances.
|
|
| |
(c) ECM Records, Munich. Used by
permission.
|
|
| |
※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） |
|