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　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）


January 25, 2005
ミュンヘンとカンヌでの受賞

Awards In Munich And Cannes
　
　 　1月24日、マンフレート・アイヒャー Manfred Eicher とECMは、２つの国で同時に２つの賞の授賞式に列席するという、極めて珍しいかたちで殊勲を打ち立てました。

 　
　 　ドイツでは、マンフレート・アイヒャーがバイエルン州都のミュンヘン市文化賞 Cultural Prize of the City of Munich の「2004年度 文化名誉賞 Kultureller Ehrenpreis 2004」を受賞しました。アイヒャーは、レコード・プロデューサーとしては同賞の初の受賞者となります。過去の文化名誉賞の受賞者には、作曲家のハンス・ヴェルナー・ヘンツェ Hans Werner Henze、ヴェルナー・エック Werner Egk、カール・オルフ Carl Orff がいます。音楽関係者では、カルロス・クライバー Carlos Kleiber、ブルーノ・ワルター Bruno Walther、アンネ＝ゾフィー・ムター Anne-Sophie Mutter、バイエルン州立歌劇場の総監督ピーター・ジョナス Peter Jonas、映画監督では、ミケランジェロ・アントニオーニ Michelangelo Antonioni、アレクサンダー・クルーゲ Alexander Kluge、作家では、ゴーロ・マン Golo Mann、エーリッヒ・ケストナー Erich Kästner、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー Hans Magnus Enzensberger、ヴォルフガング・ケッペン Wolfgang Koeppen、音楽評論家のヨアヒム・カイザー Joachim Kaiser、建築家のミース・ファン・デル・ローエ Mies van der Rohe、物理学者のヴェルナー・ハイゼンベルク Werner Heisenberg、画家のカール・シュミット＝ロットルフ Karl Schmidt-Rottluff、その他、芸術と科学の各分野で傑出した仕事を残した人々がこの賞を受賞しています。

 　
　授賞式典はミュンヘンの旧市庁舎で行なわれ、その幕開けには、クラリネットのジャンルイジ・トロヴェージ Gianluigi Trovesi とアコーディオンのジャンニ・コッシャ Gianni Coscia が、近くリリースされる彼らの新作アルバム《Round About Weill》（ECM 1907）の収録曲の一部を披露しました。その後、この二名のイタリア人演奏家にチェロのアニヤ・レヒナー Anja Lechner が加わって、カール・フリードリヒ・アーベル Carl Friedrich Abel ［註：18世紀ドイツのヴィオラ・ダ・ガンバの名手］ とコミタス Komitas の音楽を演奏し、また自然な流れのなかで即興演奏も行なわれました。

 　
　 　まずミュンヘン市長のクリスチャン・ウーデ Christian Ude による冒頭の挨拶の後、昨年度の受賞者であるバイエルン州立歌劇場総監督ピーター・ジョナス卿 Peter Jonas からの祝辞が述べられました。続いて、マンフレート・アイヒャー Manfred Eicher が受賞スピーチを行ない、自らの制作哲学に変わることなく影響を与え続けている何人かの演奏家、作曲家、映画監督に言及しながら、今日の自分自身を形成するに至ったさまざまな体験について語りました。

 　
　 　会場に列席した来賓者の中には、遠方や近場から駆けつけたアイヒャーの友人達に混じって、エバーハルト・ウェーバー Eberhard Weber、クリストフ・ポッペン Christoph Poppen、ギデオン・リューエンソーン Gideon Lewensohn、トーマス・ラルヒャー Thomas Larcher、ロザムンデ・クァルテット Rosamunde Quartet といったECMのアーティスト達の姿もありました。

 　

　一方、南フランスでは、ECMディストリビューション部長のヘイノ・フライベルク Heino Freiberg が、ミデム・クラシカル・アワード MIDEM Classical Awards の２つの賞を、ハインツ・ホリガー Heinz Holliger、アンドラーシュ・シフ András Schiff とミクローシュ・ペレーニ Miklós Perényi の代理として受け取りました。受賞作品はいずれも ECM New Series のアルバムで、ホリガーのヴァイリオン協奏曲「ルイ・ステーを讃えて」 Violinkonzert 'Hommage À Louis Soutter'》とイザイのヴァイオリン・ソナタ第３番を収録した一枚［ヴァイオリン独奏はトーマス・ツェートマイアー Thomas Zehetmair］（ECM New Series 1890）と、シフとペレーニの演奏を録音した《ベートーヴェン：チェロとピアノのための作品全集 Ludwig van Beethoven: Complete Music for Piano and Violoncello》（ECM New Series 1819/20）です。

 　
　 　受賞に際してハインツ・ホリガー Heinz Holliger が寄せた声明は、現代音楽の作曲部門での受賞ということを意識して、今回の受賞について、「マンフレート・アイヒャーの勇気ある録音レパートリーの方針と、トーマス・ツェートマイアー Thomas Zehetmair の並外れた芸術的才能への尊敬の標（しるし）として受け止めます」、というものでした。

 　
　 　アンドラーシュ・シフ András Schiff は、次のような声明を寄せました。──「ミクローシュ・ペレーニ Miklós Perényi と私の名において、この最も信望ある賞をお選びくださった方々に、心からの喜びと感謝の念をお伝えさせていただきます。そしてもちろん、ECMレコードのマンフレート・アイヒャーによる支援と、素晴らしい録音エンジニアのシュテファン・シェルマン Stephan Schellmann に対して、そして大事なことを言い忘れましたが、この世界をより良い場所にしてくれたルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven に感謝を捧げたいと思います。」

 　
　 　シフとペレーニのアルバムは、室内楽部門での受賞となります。

 　
　


(c) ECM Records, Munich. Used by permission.


 　
　 ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） 　

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