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　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）


July 31, 2008
アテネ、フランクフルト、バルセロナでのECM特集公演

ECM Events in Athens, Frankfurt & Barcelona
　
　 　ECMを特集した秋の主なライヴ・フェスティヴァルについてご案内いたします。アテネ Athens とフランクフルト Frankfurt でのフェスティヴァル、そして今後継続して開催される予定のバルセロナ Barcelona におけるECMコンサート・シリーズのファースト・シーズンについての情報です。

 　
　
　
　 　まず、9月5日から13日まで開催されるのが、地中海周辺文化に焦点を当てた「イミトス音楽祭 Ymittos Festival」です。素晴らしいアーティストおよびアンサンブルによる公演がプログラムされています。

 　

ECM 2057

 　9月5日のオープニング公演は、アテネのヴラコーン野外劇場 Theatro Vrachon で開催されます。アヌアル・ブラヒム・トリオ Anouar Brahem Trio、そしてサヴィナ・ヤナトゥーとプリマヴェーラ・エン・サロニコ Savina Yannatou & Primavera en Salonico が出演します（彼らは間もなく新作《ソングズ・オブ・アン・アザー Songs of an Other》（ECM 2057）をECMから発売予定です）。

 　
　翌9月6日のプログラムでフィーチャーされているのは、ジャンルイジ・トロヴェージ Gianluigi Trovesi とジャンニ・コッシャ Gianni Coscia のデュオ、そしてピアニストのフランソワ・クチュリエ François Couturier がアニヤ・レヒナー Anja Lechner（チェロ）、ジャン=マルク・ラルシェ Jean-Marc Larché（ソプラノ・サックス）、ジャン=ルイ・マティニエ Jean-Louis Matinier（アコーディオン）と共に作り上げたプロジェクト「ノスタルジア──タルコフスキーへの歌 Nostalghia - Song for Tarkovsky」です。

 　
　9月7日は、ヴァシリス・ツァブロプロス Vassilis Tsabropoulos とアニヤ・レヒナー Anja Lechner が、新たにドラマーの U.T. ガンジー U.T. Gandhi と結成した新しいプロジェクト「メロス Melos」が登場します。ビザンチンの聖歌から霊感を受け、同時にグルジェフの作品をも包摂する大きな弧をかたどったツァブロプロスが創作した新曲が演奏されます。

 　
　この夜の第二部に予定されているもう一組のプログラムは、ステーファノ・バッターリア［バッタリア］ Stefano Battaglia が同郷の芸術家ピエル・パオロ・パゾリーニ Pier Paolo Pasolini に敬意を表して創作した音楽的伝記「リー：パゾリーニ（パゾリーニについて） Re: Pasolini」です。

 　
　9月8日は、イタリアの若手を代表するもう一人の稀有なピアニスト、ステーファノ・ボッラーニ Stefano Bollani がソロで登場。それに続くトマシュ・スタンコ・クァルテット Tomasz Stanko Quartet の演奏で、同音楽祭の第１ブロックが終了します。

 　
　続く9月12日と13日の二日間で、今回アテネで開催される初めてのECMフェスティヴァルのグランド・フィナーレを飾ります。プログラムは、エレニ・カラインドルー Eleni Karaindrou がテオ・アンゲロプロス Theo Angelopoulos の新作映画「The Dust of Time （THE THIRD WING）」［訳註＝アンゲロプロスが20世紀のギリシアを描いた三部作の内、第一作『エレニの恋（ウィーピング・メドウ） The Weeping Meadow』に続いて制作した第二作］のために作曲した音楽の、世界初演です。演奏は、歌手マリア・ファランドゥーリ［ファラントゥーリ］ Maria Farantouri、アレグザンダー・マイラット［アレクサンドロス・ミラ］ Alexander Myrat （Alexandros Myrat） 指揮、アテネ・メガロン管弦楽団（メガロン・オーケストラ・カメラータ・オブ・ザ・フレンズ・オブ・ミュージック） Megaron Orchestra Camerata of the Friends of Music、そしてギリシアの伝統音楽アンサンブルとジャズ・クァルテットが加わります。

 　
　 　さらに詳しい情報は、こちらのサイトを御覧ください。■

 　
　
　
　 　「シュプーレン１ Spuren 1」──英語では Traces（跡）──は、独フランクフルトで今年から新たに開始されるECMフェスティヴァル（ECM Festival Frankfurt）の第一回目の名称です。期間は2008年9月17日から19日まで。この音楽祭はアルテ・オーパー Alte Oper とECMレコードの共同企画で、音楽とその他の芸術領域の規律の間に見られる連関ならびに相互の影響を探査することを課題としています。
　今年はその第一回目として、「シュプーレン１──音楽と映画 Spuren 1 - Music and Film」と題し、ECMにおいて昨今伸展を続けている映画との関連を有した作品群ならびに、異なるメディア（表現媒体）間での多様な対話に基づいた幾つかの作品群に注目してプログラムを組んでいます。

 　
　9月17日に音楽祭の幕を切って落とすのは、フランソワ・クチュリエ François Couturier の『ノスタルジア──タルコフスキーへの歌 Nostalghia - Song for Tarkovsky』です。ロシア出身の映画監督に捧げられたこのプロジェクトは、9月19日のステージに登場するステーファノ・バッターリア［バッタリア］ Stefano Battaglia が創作した、イタリア出身の映画作家パゾリーニ Pier Paolo Pasolini へのトリビュート作品（『リー：パゾリーニ（パゾリーニについて） Re: Pasolini』）へと谺しています。

 　

Photo: Athina Kazolea

 　9月18日は、エレニ・カラインドルー Eleni Karaindrou の音楽の特集。作曲者自身のピアノのほか、アレグザンダー・マイラット［アレクサンドロス・ミラ］ Alexander Myrat （Alexandros Myrat） 指揮、アテネ・メガロン管弦楽団 Camerata Orchestra Athen、そして独奏者にキム・カシュカシャン Kim Kashkashian（ヴィオラ）、ヤン・ガルバレク Jan Garbarek（サキソフォン）、ヴァシリス・クリストプロス Vassilis Christopoulos（オーボエ）を迎えての演奏です。このコンサートは「ミュージック・フォー・フィルムズ（Music for Films）」と題され、何人かの映画監督、とりわけテオ・アンゲロプロス Theo Angelopoulos の映画のためにカラインドルーが作曲した音楽が、フランクフルトの聴衆のために特別に構成されて演奏される予定です。

 　
　 　また、演奏会の前後には関連する映画作品が上映されます。アンゲロプロス、パゾリーニ、タルコフスキーの作品の上映は、この音楽祭 “Spuren 1” の公式協賛者でもある、ドイツ映画博物館 Deutsches Filminstitut の協力によるものです。

 　
　 　さらに詳しい情報は、下記のサイトを御覧ください。
www.alteoper.de/

 　
　
　
　 　スペインでは、ECMバルセロナ（ECM Barcelona）のラウディトリ L'AUDITORI におけるライヴ・シリーズがスタートします。これは三つの組織──ラウディトリ L'Auditori、ゼロ４・ライヴ・カルチュラル・イヴェント Zero4 Live Cultural Events、そしてECM ──が協同で制作するライヴ・コンサート・シリーズで、来年以降も続けて開催する予定です。
　最初のシリーズ（2008／2009シーズン）のプログラムは、強力なジャズに焦点を絞っています。

 　
　 　１回目のコンサートは9月28日の開催。ワン・ステージに二組が登場します。ボボ・ステンソン・トリオ Bobo Stenson Trio とノーマ・ウィンストン・トリオ Norma Winstone Trio です。

 　
　 　２回目は、10月26日の開催。トマシュ・スタンコ・クァルテット Tomasz Stanko Quartet が登場。このコンサートは、バルセロナ・ジャズ・フェスティヴァル Barcelona Jazz Festival の一環としての開催されます。

 　
　 　続いて11月10日はディノ・サルーシ Dino Saluzzi とアニヤ・レヒナー Anja Lechner のデュオ。
 　
　 　年が明けて2009年2月4日は、エンリコ・ラヴァ Enrico Rava の国際的な顔ぶれの新クインテットによるバルセロナでのデビュー公演です。メンバーは、エンリコ・ラヴァ Enrico Rava、マーク・ターナー Mark Turner、ステーファノ・ボッラーニ Stefano Bollani、ラリー・グレナディア Larry Grenadier、ジェフ・バラード Jeff Ballard です。只今準備中のECMからのニュー・アルバム《ニューヨーク・デイズ New York Days》の曲を中心としたプログラムになる予定です。

 　
　 　3月16日は、アレクセイ・リュビーモフ三重奏団 Alexei Lubimov's trio の登場。アレクセイ・リュビーモフ Alexei Lubimov（ピアノ）、アレクサンドル・トロスティアンスキー Alexander Trostiansky（ヴァイオリン）、キリル・リバコフ Kyrill Rybakov（クラリネット）が、アルヴォ・ペルト Arvo Pärt、ヴァレンティン・シルヴェストロフ Valentin Silvestrov、ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ Galina Ustvolskaya の作品を演奏します。

 　
　 　4月28日は、第一回目の ECM-BCN のシリーズ最後を飾るインプロヴィゼーション・コンサートです。マリリン・クリスペル Marilyn Crispell、アグスティ・フェルナンデス Agustí Fernández という二人のピアニストにベーシストのバリー・ガイ Barry Guy が加わった異端のトリオによるステージです。

 　
　


(c) ECM Records, Munich. Used by permission.


 　
　 ※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus） 　

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