ECM NEWS／ECM情報 May 2, 2012

　ECM NEWS／ECM情報

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。（musicircus）

May 2, 2012

クレイグ・テイボーンがノース・シー賞を受賞

Craig Taborn wins North Sea Prize

　ピアニストのクレイグ・テイボーン Craig Taborn が、このたびオランダのノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル North Sea Jazz Festival のポール・アケット賞 Paul Acket Award を受賞しました。
　ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルでは、「並外れた音楽的才能を身につけた、もっと幅広く知られるに値するアーティスト」を毎年選定し、ポール・アケット賞を贈呈しています。この賞は、今後なお一層の活躍が期待される優秀な若手ジャズ・ミュージシャンにスポットライトを当てることを目的に創設されました。ジャズ・シーンの中だけで見れば、既にある程度は名前が知られ活躍している若手ミュージシャンは何人かいますが、しかしまだ一般のオーディエンスにまで幅広く認知されているとは言えません。この賞の対象者はそうした範囲に位置しているミュージシャン達ということになります。ポール・アケット賞の受賞者には、トロフィーの他、5,000ユーロの賞金の小切手が授与されます。

　「2012年のポール・アケット賞の受賞者は、米国出身の作曲家兼ピアニストのクレイグ・テイボーン Craig Taborn に決定いたしました。テイボーンは1990年代に作曲とピアノ演奏のキャリアを開始。彼が演奏する音楽は常に背後に幅広いコンテクストを有しており、ストレート・アヘッドなジャズから、もはやジャズの境界線を踏み越えた地点にまで及ぶ、極めて幅広い領域をカヴァーしています。」

　テイボーンのECMレーベルへの初録音は今から15年前に遡ります。ロスコー・ミッチェルズ・ノート・ファクトリー Roscoe Mitchell's Note Factory のメンバーの一人として、アルバム《ナイン・トゥ・ゲット・レディ Nine To Get Ready》（ECM 1651）に参加。

　このバンドは後にロスコー・ミッチェル Roscoe Mitchell とエヴァン・パーカー Evan Parker が共同で芸術監督を務める、トランスアトランティック・アート・アンサンブル Transatlantic Art Ensemble へと発展的に継承されました。
　ちなみに、トランスアトランティック・アート・アンサンブルは、ロスコー・ミッチェルが作曲した新作《作曲／即興第１、２、３番 Composition/ Improvisation Nos. 1, 2 & 3》（ECM 1872）［訳註●１］と、エヴァン・パーカーが作曲した新作《ブストロフェドン（ブーストロフィードン）〔犂耕体［りこうたい］・牛耕法［ぎゅうこうほう］〕 Boustrophedon》（ECM 1873）［訳註●２］という２枚のアルバムをECMに残していますが、クレイグ・テイボーンは、当然この二つの作品の録音にも参加しています。

［訳註●１］フランス Jazzman誌で、2007年度の年間最優秀アルバムを受賞。

［訳註●２］本CDの発売と時を同じくして、エヴァン・パーカーは2008年度ポール・ハムリン賞を受賞。

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　これ以降でのテイボーンのECMへの録音は、マイケル・フォーマネク・クァルテット Michael Formanek Quartet の一員として、《ザ・ラブ・アンド・スペアー・チェンジ The Rub and Spare Change》（ECM 2167）と、次作で近日ECMからリリースを予定している《スモール・プレイシズ Small Places》（ECM 2267）の二作品があります。

　そしてクレイグ・テイボーン初のピアノ・ソロ・アルバムは、既にECMレーベルで録音・発表済みです。2011年リリースの《アヴェンジング・エンジェル Avenging Angel》（ECM 2207）は、世界各国の批評家から絶賛を博しました。

　さらに今年度のテイボーンはまだ他の賞にもノミネートされています。先頃ニューヨークを拠点とするジャズ・ジャーナリスト協会 Jazz Journalists Association がアナウンスした情報によれば、同協会が毎年選定するジャズ賞の内、テイボーンは年間最優秀ピアニストと年間最優秀録音の二部門でノミネートされているとのことです。

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(c) ECM Records, Munich. Used by permission.

※本記事は、ECM が発信する最新情報を ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。（musicircus）

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